「シよう」
唐突に、そして簡潔に。雲雀恭弥は言い放ったわけでありまして。
勿論それに迎え撃つ俺の言葉といえば
「嫌だ、お断りします」
拒否に決まっているわけです(別に決まってるわけじゃないけれど、決まってるんです)(どっちだ)

「何で?」
ごろにゃん、とでも言いそうな身のこなしで近付いて首に腕を巻かれて。
じぃっと見つめてくる瞳から逃げるように目を逸らす。
うっかり引き込まれたら後が大変なんです。
「俺仕事帰りなんです。残念ながらそこまで体力残ってません」
「・・オッサンが」
ちっ、と舌打ちしながら言うもんですからそりゃあ可愛い可愛いヒバリくんのほっぺを掴んでみました(ついでに軽く左右に引っ張ってみたり)
「あんな、こちとらどこぞの中学生みたくお山の大将で生きてるわけじゃねぇの。精神とか体力とかすり減らしてお仕事してんの。わかったかクソガキ」
こつん、と額同士をくっつけて。説教口調で言ってみる。
「・・・知るか、バカ」
むぎゅ、と頬を挟まれて口吻けられた。
「アンタがどこで何してようと僕の知ったことじゃないよ」
ひょいっと膝の上に跨って、ぎゅっとされた。
意外とこの子猫ちゃんはスキンシップが好きらしい。
それでも口調には棘があって。

「・・・恭弥、拗ねてる?」
「さぁ?」

ゴロゴロ、と喉でも鳴らしそうなくらい力を抜いて懐いて。でも本性は猛獣で。それでもやっぱり年下の男の子で。もう可愛いんだか可愛くないんだかわからない(そこが可愛いんだけどね)
だらんと垂れた腕とちょっとだけ丸まった背中が可愛くて。
俺も大概甘いなーと思いつつ、
それでもコイツに甘えられるのは嫌じゃないから

「優しくしてくれんならいいぞ?」


飴でも与えてあげましょう?






**2005.09.02
**2005.09.09
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